表面加工での「スポット加工」
表面加工における「スポット加工」とは、
あらかじめ特定の部分に加工がされないように専用の版を作り、
その版を利用して部分的な加工をすることを指します。
PPラミネート加工のような「貼る」加工では、絵柄に合わせて部分的に加工をするという
ようなことはできませんが、コーティング加工のような「塗る」タイプの加工では、
こういったことが可能になります。
後加工としてサック貼りなどの、パッケージの糊付け加工がある場合や、教科書や絵本などの
表紙にサインペンで名前を書く欄がある場合等によく用いる加工です。
この「スポット加工」に対し、単純に全面を加工することを「ベタ加工」と呼んでいます。
「スポット版」
スポット加工では、スポット版を作成する必要があります。
コーティング加工やプレスコート加工では、グラビア版(銅版)を使用し、
トランスタバック加工では、フレキソ版(樹脂版)を使用します。
作成したスポット版は、およそ10万枚分ほど使用することができます。
~加工種の違いによる注意点~
●コーティング加工やプレスコート加工の場合
スポットの部分(加工せずに抜く部分)の位置や大きさに制限があります。
コーティング加工では、印刷してある部分をスポットで抜くことは可能ですが、
プレスコート加工の場合、印刷してある部分を抜くと不具合が生じてしまうため、
無地の部分のみになります。
スポットで抜く面積が大きくなるにつれて加工面積が小さくなっていきますが、
加工面積が小さくなるにつれ不具合が起こりやすくなるので、
抜く面積が大きい場合は要相談になります。
●トランスタバック加工の場合
トランスタバック加工では、スポット部分の位置に関してはとくに制限はありませんが、
面積が50%を超えるような場合は注意が必要です。
絵柄に合わせたデザイン性のあるスポット加工にも対応していますが、複雑で細かい部分の再現は
難しくなります。また、両面加工も可能です。
<まとめ>
パッケージの表面加工など、後加工が複雑な場合もあります。
いずれの場合も、条件によってさまざまですので、事前にテストをして問題がないか
しっかり確認することが大切です。