そもそも『光沢がある』ってどういうこと?
印刷物に表面加工を施すことで、光沢感を出したりマットな質感を与えたり、あるいは強度を高めたり…。
表面加工の目的はさまざまですが、そもそも「光沢がある」とは、どの様な事を指すのでしょうか?
物質に光を当てると、その表面の輝き、艶、光り方はそれぞれ異なります。
これを『光沢(グロス)』といい、その度合いを『光沢度』といいます。
光は物質の表面に当たり、入射方向に対して正反射方向に反射する鏡面反射光と、
粗面で微妙な凹凸をもつ面に入射し各方向に乱反射する拡散反射光に分かれます。
光沢が良く艶がある仕上がりとは、この鏡面反射光の割合が高い物になります。
物質の違いにより差はありますが、同じ物質であれば表面が平滑(平ら)なほど光沢度が高くなると言えます。
加工種によって光沢度はどのように違ってくるの?
一般に、表面加工を施した印刷物は、インキの凹凸が樹脂膜に覆われ表面が平滑になることで
鏡面反射率が高くなり、光沢度が増していきます。
光沢試験は、光沢の良し悪しを光沢度を数値で表す装置「グロスメーター」を使用して行います。
(数値が100%に近いほど光沢は良好であると判定します。)
表面加工種の違いによる光沢度の参考値は以下の通りです。
■PPラミネート:80~90%
■トランスタバック(フィルム転写UVコート):80~90%
■UVコート:75~85%
■プレスコート:70~80%
■光沢コート:65~70%
■印刷OPニス:60~65%
▶▶トランスタバック加工って、一体どんな加工?
PPラミネート加工は、平滑度の高いフィルムを貼ることで高光沢が得られます。
フィルムの意匠を転写する「トランスタバック加工」も同等の光沢度が得られます。
また、プレスコートは光沢コートと比較すると、その加工面は熱プレスされ強制的に
平滑となるため高い光沢値が得られます。