
◎ ラミネート加工時の『重ね跡』の正体は?
ラミネート加工において時折発生する「重ね跡」。
トラブルの原因ともなり得るこの「重ね跡」の正体が一体何なのか、
どのように発生するのか、原因を詳しく見ていきましょう。
◎ ラミネートの機械では、紙の端が重なった状態で加工される
ラミネート加工では、機械で紙を一枚ずつ運んでいくときに、
一枚目のくわえ尻と二枚目のくわえ側を10㎜程度重ねた状態で流していきます。
これは、加工の特性上 刷本を重ねてラミネートすることで、
くわえ部分にフィルムを貼らないようにし、後加工の見当が狂わないようにするためです。
このように、紙が「重なった状態」のままフィルムとの貼り合わせがなされるので、
段差の部分には熱と圧力が均等にかかりにくくなり、わずかに空気を含んだ白っぽい筋状の跡が付いてしまいます。
この跡は紙の厚みが増すほどはっきりと現れ、
この部分にまで絵柄があると、絵柄の中にうっすらと線を引いたような跡が残ってしまうのです。
絵柄が無ければさほど目立ちませんが、濃い色でベタに近づくほど重ね跡は目立ってしまいます。
◎ くわえ尻側にはどれくらいの余白が必要?
「重ね跡」を回避するためには、くわえ尻側にも充分な余白を設けることが重要です。
できれば10㎜以上確保するのがベストです。
「重ね跡」が発生するのはラミネート加工の場合のみなので、
後加工にラミネート加工をすることが分かっている場合には、
面付けなどの印刷設計の段階からあらかじめくわえ尻側に充分な余白を設けておくことが大切です。